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PDF download / 294KB | 通信販売を中心に販売している自社製品の売上げとCM投入量(GRP)との関係を数式によるモデル化を行う。また、このモデルを利用することで、CM投入量の最適配分や、限界量を算出し、今までのCM広告投入のあり方や今後のプランニングの参考となるような運用体系の構築を支援。 |
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通信販売を中心に自社製品を販売しており、CMを投入をすればするほど売上げは上昇することはわかっており、担当者の経験則による運用が行なわれていました。しかし、明確にCM投入量と製品売上げとの関係が明らかでなく、経験や勘での運用であるので客観的な成果の把握や効果の検証が行なえていないことが問題となっていました。
このため、CM投入量と売上げ反応のメカニズムを科学的なアプローチで捉えマーケティング活動に反映させる必要性を強く認識されていました。
・売り上げはCM投入量の影響受けて決定され、過去の投入量であればあるほどその効果は薄れるが過去の投入の効果を考慮した典型的な時系列解析モデルとして利用されるKock型モデルを利用する。
予測週と過去週の売上(目的変数)について、ラグが大きくなると自己相関係数が小さくなり(直近の売上が影響している)、1次の偏自己相関係数だけが大きいので、1週間前の値が過去の実績を反映していることがわかり、CM蓄積効果として前週の売上のみをモデルに組み込むことにしています。
・モデルから得られた予測値は91.1%の説明力をもち、実績値をよく追従している。
CM蓄積効果については自社の方が負の値が小さく、CMを何もしない場合のマイナス効果が競合と比較して小さいことがわかる。つまり自社のCMの方が質的に消費者行動への寄与効果が高いといえる。しかし当週のCM投下量の係数値では、競合の方が大きくCMによる影響が強いことがわかる。自社製品のCMは売上への短期的な効果は競合と比較して弱いものの、蓄積された効果によって購買行動が発生している状態であることがわかる。
現状の課題を明確にし、既存データについて一部分析トライアルを実施しながら、ゴールイメージの共有と解析に必要なデータなどの整理を実施。
データの分析とその報告&ディスカッションにて、分析によって得られた知見の1つ1つを実務運用のための評価体系として組み立てていく作業を繰り返し実施。
分析によって得られた評価体系を運用に移行させるための説明会実施にむけた資料作成等の支援。