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PDF download / 306KB | 消費行動の変化に伴って市場構造と自社製品の購買量が中長期的な観点でどのように変化する可能性があるのかを消費者調査によって明らかにし、マーケティング投資の意思決定の支援を行った。 |
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中長期的な視点で消費者行動がどのように変化する可能性があるのかを理解することは事業戦略の検討においては非常に重要なテーマである。自社製品の購入規模の種々の社会情勢等を踏また増減の量的な変化予測は大きく投資の方向性を決める重要な情報となっていた。しかし、現状では大きな投資判断を伴う意思決定であるにもかかわらず、説明能力の十分とはいえない主観的な推測値が判断に利用されており、客観的な情報をもとに議論を深めるべきであるという危機感を背景に消費者調査の必要性を感じていた。
・予測回答データの取得の方法は、将来についてを「楽観的に考えているのか」「悲観的に考えているのか」スタンスを表明させ、
これに基づいて自社製品の購買ボリュームがどのように変化するのかを回答させるフレームとした。
一般的に消費者調査における数量回答の問題点は以下のようなものがある。
・回答者は数量を正確に記憶していない
・実際の消費量よりもオーバーに回答する傾向がある
・一般的には回答負荷を考慮して頻度スケールデータとして回答させている
上記の理由から調査による結果は実購買ボリュームとは乖離してしまう傾向がある。
そこで、取得された頻度スケールデータを量データへと換算し、比率として現在と将来を比較するように改善したフレームとした。
・オーバーリアクションをする消費者や自社製品購入の動機が不十分な消費者など、回答者プロファイルの質的解釈によって
予測回答の信頼妥当性を検討する
・より信頼できると思われる回答者に絞って予測値を利用する
回答者の質的評価のために「経済意識」「価値志向」「製品関与」などの意識のデータを利用し、上記のようなクラスタ1~4のプロファイルが得られたとした場合、最も信用がならないのはCL3のように、少しの刺激で行動が大きく影響してしまうような消費者である。このような消費者は、熱しやすくまた冷めやすくオーバーリアクションをとることが多い。予測を行ううえでは撹乱要因となってしまうので除外する判断を行う。重視するのは、CL4のように自社製品に対して冷静で自分の判断で購入を決定するような手堅い消費者の回答結果である。このように、消費者調査における将来予測を行う場合は、自社にとってどの消費者の回答に信頼をおくのか質的な評価を踏まえながら、できるだけ手堅い変化傾向として理解し意思決定を行っていくことが重要である。
意思決定に関する問題点のヒアリング
消費者調査によってどのように市場変化を予測するのか企画検討を行う。
調査としてデータをどのように取得するべき であるのかデザインする。
調査会社の実査が支障なく進行するように、クライアントと調査会社との間に入り、クライアントの設計意思が調査会社に正確に伝わるようにします。
並行して分析スケジュールを作成
事前に設計した予測フレームに従ってデータを集計・加工、将来予測値を計算
解釈精度を高めるための消費者セグメントの詳細化と理解に基づく予測結果と、担当者を中心とする市場変化に対する主観を材料にディスカッションを重ね、最終的な結論を導くまでの意思決定支援を実施。